その2![]() ![]() たとえば今日ここで 誰かと誰かが出会うとして それが 運命なのかどうかは 誰にもわからない 小さな頃 TVでよくみていた 大好きだった小さな妖精が 大きくなって出会う 特別なヒトからの 世代を超えた愛のメッセージだと 誰が思うだろう これは運命だった もしかすると 運命以上の偶然は ないのかもしれない ![]() 私は 小雨の中をゆっくりと走る電車の中で そんなことを考えていた 窓の外の 高速道路の上の箱型のトラックが 何を運んで走っているのか 理解った気がした 終着駅の階段を 急ぎ足で駆け下りる 人ごみに紛れた私を それでも彼は見つけるのだろうか ブラウン管のうら側で 遠い日の少年は まだ見ぬ幼い少女を想い 少女は 再び出会えることを願っていた 空はいつしか七色の光を放ち 二人の足元を照らしていた もう長靴はいらない 二人だけの秘密だから ![]() ![]() ![]() ソーダ水を一気に飲み干した 体中を あお色の冷たい気泡がかけめぐった 真夏の足音は せかされるように すぐ耳元までやってきている 誰かの視界が 私の視界と 交差した マーブル模様の人ごみの中で たったひとつの国へと迷い込んでしまった二人 堕天使たちは いつから こうなることを知っていたのだろう いたずらに 笑う そして羽ばたいた まるでシャボン玉のように ますます体温は 上昇する のどが渇く もっともっと 心が刺激を求めるのと うらはらに 体は癒されたいと願っている ラッシュアワーな世界に生きる大人たちは皆 こうしてオアシスをさがしているのだろうか? あお色の空にとけたクリームソーダーに いつしか 淡い 夢を見る 甘く 切ない 恋のユメ ジャンル別一覧
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